1on1(ワンオンワン)とは、上司と部下の1対1の対話です。

しかし職場では最低限のコミュニケーションしかしていないことが多いようです。

職場においての日常のコミュニケーションは、会議や朝礼、挨拶や声掛けなど一瞬で終わるコンタクトや会話やメール、紙のメモや文書で行われています。場合によっては目くばせや阿吽の呼吸なんていうのもあるかもしれません。

日本人は単一民族のせいか、特に空気を読むとか行間を読むとか、わりと非言語のコミュニケーションをお互いに求める傾向があってちょっとややこしいです。「言わずもがな」とか「一を聞いて十を知る」とか、全てを語らないことや聞かないことがまるで格好良いことのように扱われる傾向もあります。

従業員は不安や不満が

一方従業員の満足度調査などでは、「上司が情報をシェアしてくれない」、「現状(事情)を理解してくれない」、「的確なフィードバックをしてくれない」などの結果が出ることが多く、結局、情報共有や意思疎通がうまくいってないのが現実です。

これは、伝える側に問題がありますが、一方受ける側にも問題があります。それぞれに「言わなくても分かるだろう」という依存や、「分かってくれているはず」という勝手な思い込みがあるからです。

1対1の対話はあまり日常的ではない。何を話せばいい? そもそも時間がないし

では、ちゃんと話せば良いのですが、わざわざ時間を取ってあらたまって話すほどでもないし、なんか気まずいし、それより目の前の仕事優先だし、分かっているはずだしなどと理由ならべて実行しません。

事実、1対1で面と向かって2、30分間まじめに話すのは得意じゃない人も多いでしょう。この人は話しやすいけど、あの人はちょっと苦手なんて場合もあります。

1on1を習慣にしてしまおう。場を先に設けておけば、そこで何でも話せる

でもこれを習慣化して、内容もテーマも目的も伝え方聴き方もパターン化して、それをお互いに共有していれば伝達、理解、確認、共有のための便利な機会にすることができると思います。 この1対1のコミュニケーションを「1on1」(ワンオンワン)と呼んで定例定型の日常アクションとしてスケジュールに組み込んでしまいます。

業務と1on1は別物ではなく、業務全体を効率よく進めるために必要な業務の一部であるという認識が重要です。

ただ、1on1は表面的なものではなく心の声や内面に傾聴しなければならないので、事務的になってしまったり、一方通行になってしまったりしないよう気をつけなければならない部分もあります。

基本的なスキルさえあれば、効果的な1on1が継続できる

従って、1on1は場さえ設ければ誰でも次の日からできるというものでもありません。相互に信頼を生み、業績向上にも貢献する効果的な1on1とは何か、どうやって進めるのか、うまくいかない場合はどうするかなど短期間ですが一定のトレーニングが必要です。

しかし一度スキルを身につければガイドやマニュアルに従って実行することで誰でも効果的な1on1を実践できるはずです。職場におけるやっているようでやってない日常のコミュニケーションを1on1で改革します

まずは、毎週30分、定期的に時間をとって、部下それぞれと1on1ミーティングを設定しましょう

テーマはガイドを参考にその時に部下と一緒に決めればよいです。テーマは一律ではありません。ちょっと沈黙の時間があっても我慢しましょう。慣れてくれば1on1の時間を使って色々なテーマで対話ができます。

大事なのは、部下の話を聴きこと、話をさせること、上司やリーダーが一方的に判断したりアドバイスしたりする場ではありません。一緒に考える、一緒に解決する、一緒にこの先の道筋を選ぶ場です。