(1on1を妨げる壁とそれをどう壊すか)
1on1が社内のコミュニケーションのベースとして、あえて意識せずとも当たり前のように実施されている状態になるのが理想ですが、その段階に到達するまでには様々な壁が存在します。
マネジメントの壁
1on1を社内に導入する際には、当然経営上の意思決定があるはずです。 その意思が強固で、全マネジメント層が一枚岩であれば問題ありませんが、反対や一応賛同する程度の弱い意思があるとうまくいきません。 まずはトップマネジメント層から率先して1on1を実行することから始めるわけですから、そこに熱量の差やためらいがあってはならないのです。
1on1を導入するのは、社員にとって大きな日常の変化です。 マネジメントの一貫した推進力と現場への理解を示して、社員が変化を乗り越えられるよう後押ししましょう。
社内コミュニケーションの壁
トップが1on1の導入を決めたら、それを社員全員に伝えなければいけません。それもただアナウンスするだけでは「へーそうなんだ」、「何?1on1て?」、「あんまり関係ないかな」で終わってしまいます。 なんのために、だれのために、どうやって、どこまでやるのか、そして、やらないとどうなるのかまで理解できるように伝達しなければなりません。
時間をかけて、コミュニケーションを駆使してこの壁を越えましょう。 メッセージにはぶれない一貫性となぜ?に答えられる透明性を持たせましょう。 それを上から下へ丁寧に、できればひとり一人に、伝えながら疑問にも答えていきます。
現状維持の壁
説明を尽くしても、トレーニングをしても、やはり大きな変化は容易に受け入れられないものです。 今のままが良い、今で十分とか、1on1は本当に効果があるのか、負担が増える、中にはかえって逆効果だなど、どれも現状を肯定し新しいものを避けようとする拒否反応です。
変化を受け入れ行動に変えるためには、なぜ現状のままではだめなのか、変化がなぜ必要なのかを十分に理解してもらわなくてはいけません。 さらにどうすれば変化が起こせるのかについても、容易に取り掛かれるようにしなければなりません。
スキルの壁
1on1のスキルがないとうまく対話を進められません。 もともとコミュニケーションに苦手意識がある場合もそうです。 これは放っておくと1on1を避けようとする原因にもなってしまいます。 苦手な方も、ある程度1on1をパターン化したりすれば、毎回どうやろうかと考えずに実行できるようになります。 それがスキルでもあります。
基本的なスキルを学ぶこと、最初からうまくできる人はいないので、相手である部下の協力も得ながら、ときには部下からのフィードバックをもらって、徐々に自分のスタイルを形成するのも良いと思います。 1on1の文化をメンバーと一緒に作り上げていけたら理想的です。