対話を効果的に進めるための必要なスキル、今回は「e. 認めるスキル」です。
a. 場を作るスキル
b. 聴くスキル
c. 質問をするスキル
d. 共有するスキル
e. 認めるスキル ←←← 今回はここ
自分と相手、お互いが情報を共有するための1x1で、相手から聴いたこと(情報)を理解して共有する対話の中で、常に必要なのが「相手の行動、成果、情報を承認して伝える」ことです。
「認める=伝える」とは、感覚的に形容詞だけでほめるとか賞賛することとは違います。相手のポジティブな変化や成果を事実として認めて、それを具体的に伝えることです。
認めることで、相手はこれで良いんだという自信を持ち、正しい方向を知り、安心して仕事ができる心理的環境を得ます。
◆「認めること=伝えること」の具体的方法
◎ 相手がどんな行動をとったか、何を達成したかの事実をとらえる
時間、頻度、場所、行動、その行動がもたらした結果や他への影響などそこに見られる変化や違い、具体的な成長や成果を言語化して、はっきり伝える
◎ 伝える時は、「だれが」を明確にする
- ○○さんが、_____をやりとげた。
- 私は、心強かった。
- 私たちは、確信できた。
- ◇◇さんたちも、感謝をしていた。
◎ 伝える時に、やってはいけないこと
- 他者との比較はしない
- 「よくやった」「すばらしい」など形容詞だけでただほめない
◆「認める=伝える」ための心構え
「認める」を相手に伝わるようにするためには、上司として意識しなければならない点があります。
- 日ごろから行動を観察すること(継続的な1×1をすることはまさにこれです)
- 他者からの情報も入手すること(多面的な見方をするため)
- 自分(他の人)と比較しない
自分(他の人)を基準にすると、「自分ならこうするのに」、「あの人ならもう少
しうまくやるのに」などと、見方がかたよったり、固定観念で見てしまうことにな
り、客観性が損なわれ、説得力がなくなります。
- 大雑把にとらえないで、具体的にとらえる
具体的にとらえることで、説得力があって伝わりやすく、強みをさらに伸ばした
り、他に生かしたりする可能性を見出しやすい。
・「頭がいいな」ではなく、分析力がある、想像力がある、専門性があるなど
・「仕事が早い」でなく、走りながら考える、ポイントをつかむのが早いなど
・「仕事ができる」でなく、計画性がある、緻密でミスがない、人を動かせるなど
(つづく)