対話のテーマが決まれば、そのテーマについて対話を始めます。
◆ 対話を効果的に進めるには、次にあげるスキルが必要です
a. 場を作るスキル
b. 聴くスキル
c. 質問をするスキル
d. 共有するスキル
e. 認めるスキル
限られた時間の中でテーマに沿った対話をして、何かを共有し確認して、次に向かうきっかけや具体的なアクションやサポートに結び付けるには、特別ではありませんが、心構えとスキルが必要です。
a. 場を作る
場を作るとは、画面越しですが、相手が安心して上司と話し合える環境をつくること。
上司の発する言葉のメッセージも重要ですが、同じくらい非言語的なメッセージも重要
です。
次のようなことは、相手に不安や混乱を与え、信頼関係を壊し、対話は成り立たたないか、表面的なものになるでしょう。
▲ 声(急な大声、か細い声、抑揚がない、早く口、口ごもる)
▲ 表情(笑わない、厳しい顔、無表情、眉をしかめる、あきれ顔、薄ら笑い)
▲ 身振り(うなずかない、腕組み、首を横に振る、だれた座り方、頬杖)
▲ 視線(画面を見ない、視線をそらす、スマホや無関係なものを見る、中空を見る)
▲ 生理反応 (ため息、あくび、咳払い)
ペーシングといって、相手に波長を合わせることで、安心感を与えます。たとえば、
◎ 呼吸のリズム、スピード、使う言葉、声のトーン、姿勢や表情を相手に合わせる
◎ 相手が言ったことを繰り返す(オウム返し)
◎ うなずいたり、相槌を適度にはさむ
◎ 視線を合わす
◎ 相手が話している時は、特に相手に集中する
b. 聴く
うまく聴くことで、相手に安心感を与えることで、アイデアや情報を引き出し、理解し、共感し、共有することで、信頼関係が深まります。
しっかり聴く
◎ 相手が話している途中で、さえぎったり、口をはさまず、最後まで聴く
(特にテレビ会議では、途中で話すと不快なタイミングのずれが生じる)
◎ 相手が話している時に、判断はせず、先読みしない
◎ 相手が話している時に、別のことを考えたり、次に自分が話すことを考えない
◎ 相手が話している時に、相手の話への回答や質問、提案、アドバイスを考えない
聴いているというサインを送る
◎ 視線を合わせる(カメラを通して視線を合わせていることがわかるように)
◎ からだを相手に向ける
◎ うなずいたり、微笑んだりして興味を持って聴いていることを表現する
◎ 何かをしながら聴かない(カメラから外れた所は相手から見えないので)
沈黙を受け入れる
◎ 沈黙を言葉で埋めようとしない
◎ 相手が考えているようなら、待つ
◎ 特にテレビ会議ではタイムラグがあるので、相手のレスポンスが遅れるので
相手が話しを進めやすいように、うながす
◎ 相槌を打つ(「それで?」、「もう少し詳しく言うと?」、ということは?」)
◎ 承認の言葉を送る(「すごいね」、「素晴らしい」、「さすがだね」)
◎ リピートする(「○○だと思います」←「○○なんだね」「○○が問題だね」
質問されたら、質問で返さない。
◎ 「課長はどう思いますか?」に対して「君はどう思う」「君の意見を先に言って」
など、質問に質問をかぶせず、「もう少し状況を教えて」のように次をうながす
簡単なことのようですが、つい上司として自分の考えや判断を先に言おうとしたり、アドバイスしようとしたり、否定から始めたりしてしまい勝ちです。
相手は最後まで聴いてほしい、あるいは伝えきれないもどかしさや伝えたいことの本質がまだ自分でも分かっていない場合があります。しっかり聴くとは、本当に話したいことを引き出してあげることです。
(つづく)