日本人は非言語のコミュニケーションが得意という一面があるので、阿吽の呼吸とか、言わずもがなとか、背中を見るとか、顔色をうかがうとか、空気を読むとか、察するとか、忖度とか、どちらかというとそういう方がかっこいいので、職場でも言葉によるコミュニケーションはそもそも少ない傾向です。

テレワークは見えないので、この非言語コミュニケーションへの依存度の高い企業では、基本的に顔や背中の見えないテレワークは性格的に受け入れ難いのでしょう。

企業がテレワーク導入に消極的だった理由は、システム構築などの導入コストなど物理的なものを除いて、人に関するものは次のようなことがあげられるでしょう。

① 部下は目を離すと怠けるという性悪説
② 育児や家事、テレビ、スマホ仕事を妨害するものに囲まれていては生産性が落ちる
③ 部下をいつでも目の届く、声の届く範囲に置いておかないと何かあったときに的確に指示できない
④ 逐一指示しないと仕事が回らない
⑤ 朝礼や会議が思うようにできない
⑥ 仕事ぶりが見えないので評価ができない

この辺のマインドセットでは積極的に導入はしないでしょうし、できません。ところが今、現実には、こんなマインドセットのまま、選択の余地なく、企業はテレワークを導入しなければならない状況に立たされています。

企業にとって、これは大きなチャレンジです。

では社員側から見たらどうでしょう。

(つづく)