デル・テクノロジーズ株式会社では20年以上も前からマネジメントの一部として1on1が導入されています。しかし昨年2020年、新型コロナウィルスの影響でリモートワークが日常化したことから、これまで対面で取り組んできた1on1を、リモートワーク環境で行うことになりました。これをきっかけに改めて1on1の基礎やリモートワーク環境での実践方法を学ぶため、日本1×1協会の研修を利用されました。

そこで今回は研修を導入した責任者の方と、研修に参加した3名のマネージャーの方に研修で得た変化や気づきについて、インタビューしました。1on1研修について興味のある方は、是非参考にしてください。

リモート環境でも効果的な1on1を学び、更なるマネジメント力の向上を図る

Q. 日本1×1協会の研修プログラムを導入された理由は?

ビジネス営業統括本部 営業部長 川崎 尚也さん  

川崎さん: 当社では、私が入社した2004年には、1on1は日常的に行われていました。その意味で、1on1はマネジメントの一部として広く長く根づいています。しかし、昨年の新型コロナウィルスにより、在宅勤務が日常化しました。今までは、対面で行っていた1on1を、リモート環境で行わねばならなくなりました。そこで、リモート環境でも効果的な1on1のやり方を学ぶと共に、今まで個人のやり方に任せていた1on1について一度基礎を学び、更なるマネジメント力の向上を図る目的で、日本1×1協会の研修を利用しました。

Q. 研修の内容はいかがでしたか?

川崎: 参加者は、マネジメント経験が1年程度の新任マネージャーから10年以上の私まで20名以上が参加しました。トレーニングは全てオンラインで実施されました。リモート1on1と同じ環境での講義や演習は、すごく実践的で直ぐにでも日々の1on1に活かせる内容でした。

Q. 実施後に変化はありましたか?

川崎: はい。マネージャー自身の変化としては、「事前準備(トピックの用意や目的の設定等)が定着してきた」「1×1キャンバスを使うことで、前回の話からの成長など差異について深く会話ができるようになった」「1on1前に自分自身のコンディションを意識するようになった」などの声を聴けました。

またマネージャーが感じるメンバーやチームの変化としては、「チームが活性化してきた」「目標達成のために具体的な行動に落とし込み易くなった」「メンバーの課題意識の本質が分かりやすくなった」「より親密な会話をしてくれるようになった」「質問や意見、アイデアが増えた」などが上げられました。今後のビジネスにインパクトがある予感がしています。

トレーニングで大きな学びがありました

Q. 研修に参加してみて、率直な感想や実際に取り組んだ内容をお聞かせください

Consumer and Small Business People Development Manager 市塚 貴一さん

市塚: 研修を受ける前は相手の話を聞くということにフォーカスを置いていました。今回の研修で、それに加え「自分の気持ちや体調を整えてから1on1に臨む」ということの重要性を知り、それがとても印象的でした。そのおかげで以前に比べ、落ち着いてスムーズに1on1が行えるようになりました。

ビジネス営業統括本部 セールスコーチ 河合 佐和子さん  

河合: これまで自分でやってきた方法以外に知らなかったので、体系的に学んだことで、新しい発見がありました。中でも、1on1の内容を共有するためのテンプレートとして「1×1キャンバス」を利用することはとても有効でした。そして、メンバー個々人の仕事への姿勢を踏まえ、1×1の中身を最適にカスタマイズすることで、得られる効果が全く違う、という気づきがありました。

インフラストラクチャー 事業統括 技術営業部長 若林 愛さん  

若林: 私の1on1を録画したものにフィードバックいただく「1on1ヘルスチェック」で自分の苦手な部分が2点見えたことが大きな発見です。

1点目は、テーマが決まっている1on1は進めやすいのですが、雑談トークから本音を引き出すといったカジュアルなコミュニケーションが苦手なんだと感じました。もう1点は、ついつい私の方が解決策を出してしまいがちということ。相手から引き出すという上手なリードがまだまだできていないなと感じました。それ以降は、この2点を注意して1on1するようにしています。

小さな変化からビジネスチャンスへ

Q. 1on1を行ったメンバーにはどのような変化がありましたか?

河合: 今1on1を実施しているメンバーの中に新卒がいます。そのメンバーの考え方がロジカルに変わってきたと感じています。ビジネスに直結しているかと言われるとまだそこまでは行きませんが、少なくとも日々の業務には、良い影響が出てきています。

若林: 私の例で言うと、これまで将来のキャリアについてぼんやりしていたメンバーがいました。それが3ヶ月前くらいに突然「この資格をいつまでに取りたいので、そのためにこういう支援をしてほしいです」と言い出しました。メンバー自ら動き出したんです。相手から引き出すことが1on1の基礎だと学び、実施できたことが実を結んだと感じました。

市塚: 変化といえば、ちょっとおもしろいことがありました。リモートワークになって一人で仕事をするため、なかなか楽しみを見出しにくいなと思っていました。そこで、楽しく考えるにはどうしたらいいだろう、という話を1on1でしていたら「じゃあ、あの人にも意見聞いてみよう」となって、色んな人を巻き込んだ小さなセッションに発展したんです。アイデアを可視化して、他人と共有して、チームビルディングやひいてはビジネスにつながればいいなと思っています。

1×1キャンバスを使うことで会話や頭の中が明確に

Q. 1×1キャンバスを使ってみてどうでしたか?メンバー全員に活用していますか?

河合: 特に、目標を認識して欲しい人に使っています。キャンバスがあるとゴールが明確になって1週間が動きやすくなっているようです。目標達成した時は達成感を感じられて「良かった」というコメントもありました。

市塚: 私の場合、自分の考えを整理するためにも使っています。キャンバスを使って、頭の中の抽象的な考えを言語化できるようになりました。

今後とも試行錯誤しながら、1on1に取り組んでいきたい

河合: 今、中途入社のメンバーと、クイック1on1を実施しています。1人のメンバーに対して1日5分でも10分でも会話する時間を作っています。リモートワークでもメンバーが孤立することなく、チームの一体化につながっていると感じています。

若林: 私達は1on1文化がすごく根づいています。上司はもとより、同僚や他部署の人にも気軽に「1on1やりません?」と声がかかるのがすごく良いなと思っています。市塚さんとも、先日やりましたよね。上司部下、仕事の内容関係なく、この人に話を聞いてもらいたいなと考えられる環境作りは必要です。今後も試行錯誤しながら取り組んでいきたいと思います。

協会:ありがとうございました。