◆ 対話を効果的に進めるには、次にあげるスキルが必要です

a. 場を作るスキル
b. 聴くスキル
c. 質問をするスキル ←←←← 今回はここ
d. 共有するスキル
e. 認めるスキル

前回は、a. 場を作る と b. 聴く スキルについて解説しました。 今回はそのつづきです。

c. 質問をする

1x1は相手に(ここではテレワークをしている社員)語らせることです。 相手は最後まで聴いてほしいと思っているかもしれません。しかし、伝えたいことの本質がまだ自分でも分かっていない場合もあります。伝えきれないもどかしさを感じているかもしれません。うまく質問をすることによって、脈絡のある話として引き出すことも可能でしょう。

質問をすることで、次のような効果が期待できます。

◆ 一つの視点ではなく、複数の視点で現象をとらえるようにできる

  ◎ 「自分」の視点から、上司、同僚、顧客の視点に変える
  ◎ 「受身」、「批判」、「被害者」から「主体」、「解決」、「未来」に

◆ 選択肢を広げる

  ◎ ほかの考え方、方法、プロセス、ゴールを見つけさせる
  ◎ 可能性の拡大

◆ 気付きをうながす

  ◎ 自分自身が気付いていない、原因、本来の目的、情報の価値、自分の価値などに
    気付くための手助け

 

質問の効果を上げるためには、質問自体に工夫が必要です。誰のために質問をするのか、何のために質問をするのかをよく考えた質問をしましょう。

◆ 誰のための質問?

質問をする上司(自分)のため質問をしようとすると、こんな感じになります。

  ▲ 自分が知りたいことを質問する(誰が、なんでだ、どうやってなど)
  ▲ 自分の関心や判断にもとづいて質問する(決めつけた方向に誘導したりする)
  ▲ その答えは、相手が知っていること

相手のための質問をしようとすると、こんな感じになります。

  ◎ 相手に考えてほしいことを質問する
  ◎ 相手がどう考えるかを質問する
  ◎ その答えは、相手が気が付いていないこ
  ◎ その答えは、相手が話している時に見つける

◆ 何のために質問?

問題や原因や犯人捜しをしようとする質問は、こんな感じです。

  ▲ 否定的で過去ばかりをさぐる質問(なぜあの時そうしなかったのか?)
  ▲ 問題そのものに執着する質問(なぜそうなってしまったんだ?)
  ▲ 原因を追究し、責めるような質問(なぜそんなことをしたんだ?)

問題を分析したり、解決策を見出そうとする質問は、こんな感じです。

  ◎ 否定せず、事実をとらえて、今後のための質問
  ◎ 問題を整理する質問
  ◎ 改善のための質問(今の最善策は?、再発防止策は?、チャレンジは?)

 

一緒に解決しよう、一緒に達成しようというサポートの姿勢が、効果的な良い質問につながります。

質問をするスキルは大事な所ですので、次回に詳しく解説します。

(つづく)